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IPCC、温暖化人為説を公理化(axiomatize)

IPCC第6次報告書が、人間活動の温暖化への影響は「疑う余地がない」と断定した。(20210810日経朝刊一面記事、日経有料会員ならここで閲覧可)


私の感想:「断定した」という表現は不適切。科学を良く知らない人には誤解を招くと思う。ひと言注意を促すと、これは科学における「公理化」。だからfalsifiable (反証可能)。今後もし「疑う余地がある」というcontraly evidence(反証)が出て、それが検討されたのち「確か」となれば、誤りを認め訂正する準備は出来ている。

「断定」でなく「公理化」という表現を使って欲しかったが、それには「公理」という言葉の意味がもう少し一般に知れわたる必要があるのだろう…。

2018 number of LLC = 2,821,394

2018年の米LLC数は2,821,394だった。この数字は、IRSが先週発行したPartnership Returns Line Item Estimates 2018のpage 3に載っている。上欄Domestic limited liability companyの脇に青字で添えてある数値。依然として単調増加を続けている。グラフを更新しファイルを~archivesの資料・グラフにアップしておいた。

なお、c-corporate数もupdateされていたので、そちらも付け加えておいた。トランプのcorporate税制改革の混乱が収まったのか、2015,2016,2017の統計数値が一気にSOI Tax Stats – Corporation Complete Reportにアップされていた。active corporate、つまりcorporate income tax(日本でいう法人税)を納税しているcorporateの数。Full Publication (PDF) 2017の9頁 Figure G. 書式1120の行の数値を拾った。active corporateだから、benefit corporateやnonprofit corporateは含まれない。こちらは、154万社ほどで減少が一時的に止まっている様に見える。

減少が一時的に止まっている様に見える理由は、やはり、トランプのcorporate税制改革だろう。設備投資の即時全額損金算入(at once full expensing)ができるなど、利益圧縮を図れるトランプ税制改革のおかげで、納税すべきcorporate income tax金額がほとんどゼロになっているために、active corporateがLLCへ「鞍替え」する必要が、一時的に、なくなっているのだろう。

2017 number of LLC = 2,696,149

2017年の米LLC数は2,696,149だった。この数字は、IRSが発行した2017 Partnership Line Item Publicationのpage 3に載っている。上欄Domestic limited liability companyの脇に青字で添えてある数値。依然として単調増加を続けている。グラフを更新しエクセルファイルを~archivesの資料・グラフにアップしておいた。

2014 number of active C-Corp = 1,570,796

2014年の米C-Corp数は1,570,796だった。この数字は、IRSが発行した2014 Corporation Complete Report (Publication 16) (PDF).pdfの9頁に載っている。9頁 Figure G.の、form type 1120の行と2014の列の交点。依然として単調減少を続けている。グラフを更新しエクセルファイルを~archivesの資料・グラフにアップしておいた。なお”form type”は「税務申告用紙の形式」を意味する。1120は、用紙形式番号。

米corporate tax stats公開は、IRS-SOI(米国内国歳入庁 所得統計部)にとって最重要責務だったはず。事実、私がLLC研究を始めた2000年代前半は、data updateがpartnership statsよりもcorporate statsの方が早く為されていた。それが今は、corporate statsについてComplete Reportは発行しても、A4一枚で概要が分かるsnap shotは発行がされなくなったか、とても遅れるようになった。隔世の感がある。

ただ今回、Complete Reportを読む機会を得て有益だったこともある。1992年からプロットしてきたC-corp数が、inactive C-corpを除いたactive C-corpの数であることが分かった。2014年のinactive C-corp数は、7頁Figure. Eの2014 populationの列とform type 1120の行の交点にある1,769,209から先程の数1,570,796を引き算した数、198,413と分かる。2014年、ざっと10%強のC-corpがinactive。

ちなみに“inactive”とは何か詳しく知りたい人のために、記載された凡例を転記しておくと:
…nonprofit corporations, returns having neither current income nor deductions, and prior-year tax returns.   Additionally, amended or tentative returns, nonresident foreign corporations having no effectively connected income with a trade or business located in the United States, fraudulent returns, and returns filed by tax-exempt corporations…
ここで、”return”は「税務申告」を意味し、”file”は「書類提出する」を意味する。

冒頭に”nonprofit corporations“とあり、末尾に”tax-exempt corporations”とあることに注意されたい。後者は、最近伸長著しいB-Corp (benefit corporation)のことであり、前者は従来からあるnon-profit組織のこと。B-Corp (benefit corporation)については、機会があれば別途詳しく説明したいが、以下、簡単に説明すると。

B-Corp (benefit corporation)とは、営利事業と非営利事業を合わせ持つcorporation。営利事業でprofit(つまりcorporate income)を一端は計上するのだが、該profitを非営利事業に費消するため、corporate income tax(日本でいう法人税)を国家税務当局に納税することはしない。例:Ben and Jerry’s、営利事業としてアイスクリーム製造販売、非営利事業としてDemocracy advocacy。近年は「気候変動へアクションを」のadvocacyを行っている。日本でも営業しており、各地に風力発電所や太陽光発電所を建設している。

お分かりだと思うがB-corpは、2009年オバマがオバマケア提案の際にcodifyしたeconomic substance doctrine(経済の本質を持つ事業はcorporate income taxをexemptされる、という法理)の成果の一つ。オバマケアのねらい通り、病院経営をするB-corpも現れている。記事:A Benefit Corporation Steps Up to Purchase a Chicago Hospital 参照方。

equity (衡平)とは「当事者間で釣り合って平ら」を意味し、公平 (公 (おおやけ)に平ら)とは異なる

米国租税裁判所レポート 2004 July to Decenber簡素、柔軟、衡平」これがpartnership税制原則

これは、左掲した『米国租税裁判所レポート2004年7月-12月 Vol. 123』84頁を半訳してみれば分かる。

(以下半訳)米国国会は、米国連邦税制における幅広い権限をthe partners of a partnershipに与え今日に至っている。彼らpartnersが、事業体を形成し経営しそして解散するための管理協約から成る、partnership事業関係協約をnegotiateし、その結果simplisity, flexibility, and equity as between the partners(簡素、柔軟、当事者間衡平)を達成できるようにするためである。Foxman v. Commissionaer, 41 T.C. at 549-552(そこで引用された国会立法過程)も参照されたい。また、Moore v。Commissioner, 70 T.C. 1024, 1033 (1978); Kresser v. Commissioner, 54 T.C. 1621, 1630-1631 (1970)も参照されたい。(以上半訳)

註:T.C.とは、Reports of the United States Tax Courtのこと。全巻をここから見ることができる。

・・・何故これを今改めて陳べたかというと、日本の租税学の権威である金子宏先生が、未だに「公平」だけを主要な税制原則にする考えを述べているのを知ったからだ。それは、學士會会報No. 937(2019年7月)に寄稿された『~随想~ シャウプ勧告とわが国の税制』金子宏(東京大学名誉教授、東大・法・昭28)。全文をネットで見られる様になるのはもう少し先のことのようだが、目次はココないしココで見ることができる。機会があったら読んで頂きたい。

なお、coporate税制原則は、simple, fair, neutral(簡素、公平、中立)とするのが一般的。