EoF基調論文を読み進めている勉強会の参加者から、「国家に税金を納めなくて良いbusinessがあるという考え方、即ち、economic substance doctrineは、倫理(ethics)に反するのでは?」という質問が来た。それへの回答メールを以下に貼り付けておく。
ethicsとeconomicsは表裏一体です。それは当然です。ethicsは善悪の判断基準であると共に、「価値」の判断基準だからです。
utilitarian ethicsでは、utility(効用、有用性)に価値を見出し、utility(効用)をconsequence(帰結)として生み出すthings(事物)に価値を見出します。ですから、そのような事物を生産しutilityを帰結として生み出すことが「経済」だと考えます。
また、ここが大事なところなのですが、utility(効用)は、「一般化」「大衆化」が容易であるため、utilitarian ethicsは「巨大経済」を生み出しやすい特徴があります。国家が「税金」を集めて整備・維持しやすい「巨大経済」を生み出します。
他方、virtue ethicsが何なのか、西洋でも議論百出の状態です。ですから「確たる」ことは言えませんが、virtue は、each human personごとにendowされているものが異なり、その価値は「一般化」「大衆化」されにくい、と考えていいと思います。また、この形而下界に何らconsequence(帰結)を生み出さなくともvirtueは、それ自体で「価値がある」といえるでしょう。
いきおい、virtue ethicsは「多種多様な中小経済」を生み出します。国家が「税金」を集めて整備・維持するのが困難、あるいは不可能な「多種多様な中小経済」を生み出します。
・・・こんな風に言えるかもしれません。