日時 | 2025年7月19日土曜日 13:30 ー 15:30 |
場所 | ZOOMによるオンライン勉強会を予定。参加を予定する方は私(齋藤)までお知らせ下さい。 |
テーマ | Dilexit Nos 21. -31 対訳 |
20250731追記:段落23の訳註18を、下記の様に書きかえ、パワポと対訳docをアップしなおした。
[訳註18] フランシスコ教皇文章に多く見られるEverything is interconnected. (訳例:全ては量子もつれの状態にある。)と同様に、この文からも量子力学の見地から深奥な意味を感じ取ることができる。即ち、Everything comes together in a state of coherence and harmony. は、「コヒーレント状態と同時固有状態とから成る一つの大規模な量子状態の中で、全ては一緒に生起する。」と訳すことができる。コヒーレント状態とは、物理学者ロイ・グラウバー(1925-2018)の1963年の論文で、その具体例がレーザー光として見いだされた量子状態。それは、非可換な物理量、例えば時間とエネルギーが、擬確率分布(quasi probability distribution)の軌跡(例えばこれ)として観測される量子状態を意味する。他方、同時固有状態とは、量子状態|φ⟩と量子状態|ψ⟩が共通固有状態を持ち、そこに向けて|φ⟩と|ψ⟩が波束の収縮を起こし、それぞれの実数固有値kφとkψが、一定に定まる可換な物理量として観測される量子状態を意味する。これらを敷衍すると、全ての物事、即ち、私達が観測する神羅万象の、元となる諸々の量子状態が波束の収縮をする収縮先が、「コヒーレント状態と同時固有状態とから成る一つの大規模な量子状態」であって、それ故に、全ての物事それぞれの物理量観測値が、それぞれに局限された値域にあるように、あるいは、それぞれに一定に定まるように、全ての観測者に共有されるとき、この「コヒーレント状態と同時固有状態とから成る一つの大規模な量子状態」の中に、私達がその中にいると感じているa realityがあると考えることができる。
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