この場合のchampionはリーダーではなく擁護者と訳すべき

初の民主主義サミットが始まった。バイデンの冒頭挨拶を和訳した今朝のNHKニュースに、大きな誤解を招く誤訳があった。

“In the face of sustained and alarming challenges to democracy, universal human rights, and all around the world, democracy needs champions,” Biden said as he kicked off the summit.
NHK和訳: 世界中で憂慮すべき挑戦を受け続けている民主主義にはリーダーが必要だ。

これでは、バイデンが世界の民主主義を主導するリーダーになろうとしているかのように聞こえてしまう。実際はそうではない。左にあるchampionの訳2参照方。バイデンは単に「擁護者」あるいはadvocate(ある考え方の支持者)の一人になろうとしている。もっといえば「そもそも民主主義とはなんなんだろうか、皆で考えてみよう」と投げかけている。

拙訳: 民主主義と普遍的なhuman rightsと、そしてこの地上世界に起こる諸事全般とに関して、数々の難問が次から次へと持ち上がり警告が発せられている。こうしたことに直面し、今、民主主義には複数の擁護者が必要だ。

見過ごせない誤訳だったのでメモしておくことにした。

20220114 拙訳を訂正して下線部を加えた。バイデンはフランシスコ教皇と同じ進歩派カトリック。worldをその語源(左掲。神の国に対する人間の住む国)に即して使う。